フリージア歯科クリニックで用いている骨補填材について
【骨造成の材料、ちゃんと選んでいますか?】
化学合成された骨補填材(β-TCP・HA)を選ぶ理由
インプラント治療やサイナスリフト、抜歯窩の保存など、骨造成(GBR)を伴う処置において欠かせないのが「骨補填材」です。
今回は、患者様の体内に入れる材料だからこそ、安全性と信頼性を重視したいという想いから、当院が積極的に採用している「100%化学合成骨補填材(β-TCP、HA)」についてお話しします。
同時に、生体由来の材料(Bio-OssやDFDBAなど)に潜むリスクについても、患者様の判断材料としてご紹介いたします。
■ 骨補填材とは?
骨補填材とは、骨が不足している部位に補い、インプラントや歯の支持に必要な骨量を回復させるための人工材料です。主に次の3種類に分類されます。
自家骨(患者本人の骨)
他家骨・異種骨(ヒトや動物の骨を加工したもの)
合成骨(化学的に合成された人工材料)
■ 化学合成されたβ-TCP・HAとは?
当院で主に使用しているのは、**β-TCP(β-リン酸三カルシウム)やHA(ハイドロキシアパタイト)**と呼ばれる、100%化学合成された骨補填材です。
β-TCPは、体内で分解され、自分の骨に置き換わっていく性質を持ちます。
HAは、骨に近い構造を持ち、骨の足場として長期間安定する性質があります。
この2つは、用途によって単独または組み合わせて使用され、感染リスクが低く、生体親和性に優れた骨補填材として世界中で広く採用されています。
■ 合成骨を使用するメリット
① 感染や病原体リスクがゼロに近い
化学合成材料は、ウイルスや細菌、異種たんぱくなどの生物学的リスクがないため、患者様の体に異物反応を起こしにくく、非常に安全です。
② 安定した品質・供給体制
天然由来の材料に比べて、ロットごとのばらつきがなく、常に均一な品質を保てます。長期的な治療成績の安定性にもつながります。
③ 倫理的・宗教的な問題を回避
牛骨由来(Bio-Oss)やヒト骨(DFDBAなど)は、宗教的・文化的に使用を避けたいと考える方もいます。合成材料はこうした心配が一切ありません。
④ 自家骨採取の負担を軽減
β-TCPなどは患者自身の骨と併用することで、自家骨採取量を減らすことができ、身体的負担を軽減します。
■ 生体由来の材料(Bio-OssやDFDBA)に潜むリスクとは?
市場には、動物由来(牛骨・豚骨など)やヒト由来(死体骨を加工した材料)も多く存在します。たとえば、
Bio-Oss:ウシ骨を脱タンパク処理したもの
DFDBA(脱灰凍結乾燥骨):ヒトの献体から採取された骨を加工したもの
これらは臨床実績も豊富で一定の効果はありますが、次のような懸念も無視できません。
① 感染リスク・免疫反応の可能性
いくら滅菌処理されていても、動物や他人の骨が体内に入ることで免疫反応や炎症を引き起こす可能性はゼロではありません。
② 骨として完全に置換されにくい
特にBio-Ossは吸収が非常に遅く、長期間体内に残るため「骨ではない異物」が残存し続けるという見解もあります。
③ 倫理的な不安・心理的抵抗
「動物や他人の骨が体に入ること」に抵抗を感じる患者様は少なくありません。事前に説明が不足していると、術後にトラブルになることもあります。
■ まとめ:体に入れるものは「安心できる材料」を
骨造成は、インプラント治療の成否を左右する重要なステップです。
だからこそ、「どんな材料を使っているのか?」という視点は、患者様ご自身にもぜひ持っていただきたいと考えています。
フリージア歯科クリニックでは、高い安全性と信頼性、そして科学的根拠に基づいた化学合成の骨補填材を中心に使用し、安心して治療を受けていただける体制を整えています。
もし「過去にどんな材料を使われたのか分からない」「感染リスクが気になる」などの不安がある方は、いつでもお気軽にご相談ください。
あなたの大切な体に入るものだからこそ、納得と安心を大切に。
それが、私たちの治療に対する基本姿勢です。