院長のひとりごと
2015.09.24
インプラント学会
シルバーウィークに岡山で開かれた日本口腔インプラント学会に参加してきました。
いろいろなシンポジウム等で言われていたのが、超高齢化社会に向けたインプラント治療について。
自分で歯磨きが出来てしっかりと食べられる間はいいが、介護が必要になったときにどうするかが問題となっている。
場合によっては介護側からインプラントの除去を依頼される場合もあるらしい。
インプラント治療はライフステージにあわせて上部構造(人工の歯の部分)のバージョンダウンが必ず必要になる。
たとえば、自分で問題なく歯磨き等がしっかりでき、メンテナンスにも通うことが出来れば固定式の上部構造で問題はないであろう。
しかし歯磨きが上手に出来なくなった場合は取り外し式にしたほうがよい。
さらに自分での取り外しが困難になり介護してくれる人に外してもらいようになった場合は外しやすさも重要になってくる。
インプラント自体が邪魔になった場合は土台を外しネジを変え、歯ぐきの下に埋めてしまい機能しない状態に出来るのが望ましい(インプラントを除去するのではなくスリープさせる)。
最初は固定式でブリッジ等、次は取り外しの出来る入れ歯タイプ、取り外しを重視した磁石等で固定される入れ歯、最後はインプラントのスリープ。
いろいろな条件を考えると適しているのはアンキロスインプラントです(シンコーンシステム)。
インプラント周囲炎になりにくく、固定式にも、入れ歯タイプにも、マグネットタイプにも出来る数少ないインプラントです。
このインプラントは非常にいいのになぜ採用している医院が少ないのか?
それは術者の技量がいるからです。玄人志向のインプラントになります。
上部構造を作製するのが他のインプラントと比べ難しいのです。
しかし慣れれば非常に扱いやすいインプラントです。
審美部位にも問題なく使用できます。
長く使うインプラントです。ライフステージを考えメーカーを吟味するのもいいのではないでしょうか?